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4-2 朱莉と琢磨 2

last update آخر تحديث: 2025-03-21 07:56:35

1時間後――

朱莉がキャリーバッグを肩から下げて億ションから出て来ると既に琢磨が外で立って待っていた。琢磨は朱莉に気付くと、頭を下げてきた。

「新年あけましておめでとうございます。お待たせしてしまい、申し訳ございませんでした」

朱莉は深々と琢磨に頭を下げた。

「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。ですが……」

琢磨は頭を上げる。

「はい?」

「それ程待ってはおりませんので気になさらないで下さい」

琢磨は笑顔で答えた。そして、すぐに朱莉が肩から下げている大きなバックに気が付いた。

「朱莉さん。随分大きな荷物をお持ちの様ですね」

「はい。実はペットを連れてきてしまいました。あの、実はご連絡を頂いた時に既にシャンプーを終わらせていて。それで一人ぼっちで残していくのはかわいそうで……事前にお伝えせずに勝手に連れて来てしまい、申し訳ございませんでした」

そして深々と頭を下げる。

「そんな。どうか気になさらないで下さい。ところでこのキャリーバックの中、見せていただいてもよろしいでしょうか? 実は私も犬が好きでして……」

「ええ。どうぞ」

生垣にキャリーバックを置き、ジッパーを開けると、中には気持ちよさそうに眠っているマロンがいた。

「え!? 寝てる。さっきは起きていたのに……」

「アハハハ……。とても可愛い犬ですね。これはトイ・プードルですね?」

琢磨は中を覗き込みながら尋ねた。

「はい、初心者でも飼いやすいと書いてあったので。毛もあまり抜け落ちないし、匂いも少ないそうなんです」

「ああ、確かにとても良い匂いがしますね。これも朱莉さんが一生懸命お世話をしている証拠ですね? でも、これならきっと……」

「え? きっと……何ですか?」

「いえ、何でもありません。ところで朱莉さん。いくら仔犬と言っても女性が持つには重いですよ。私が運びますから。」

そう言うと、琢磨はキャリーバックを肩から下げてしまった。

「あ、でもそれではご迷惑では……」

「いえ、そんなことはありません。では行きましょうか?」

琢磨に促され、朱莉は頷いた。歩く道すがら、琢磨が朱莉に尋ねてきた。

「ところで犬の名前は何と言うんですか?」

「はい、マロンていいます」

「マロンですか……。あ、もしかしたら栗から取りましたね?」

琢磨は笑みを浮かべた。

「はい、栗毛色の可愛らしい子犬だったので」
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  • 偽りの結婚生活~私と彼の6年間の軌跡 偽装結婚の男性は私の初恋の人でした   <スピンオフ>  第3章 九条琢磨 10

    「あ、おはようございます。社長」琢磨は椅子から立ち上ると挨拶をした。「おはよう、琢磨。ところでお前、こんなところで何してるんだ? ここは打ち合わせ用の部屋じゃないか?」二階堂はがらんとした部屋を見わたす。「ええ、そうなんですけど……。って言うか何故俺がこの部屋にいることを知ってるんですか?」「ああ、それはな、お前の部屋に行ったら窓ふきの清掃員しか姿が見えなかったからだ。それでお前の行方を聞いたら、この部屋にいるって言うから様子を見に来たんだよ。何故自分の部屋で仕事をしないんだ?」二階堂は不思議そうな顔で尋ねる。「気が散るからですよ……」「え? 気が散る? そんなに窓ふきされると気が散るのか? お前は」「いいえ、俺じゃありません。彼女の気が散るからです」「彼女? 彼女って……あの清掃員スタッフのことか?」「……」琢磨は黙って頷いた。「お前……気を使い過ぎだろう? 彼女は仕事で来てるんだ。今までだって多くの会社で窓ふきをしてきたはずだ。人の視線なんか気にならないだろ……って。……もしかしてお前……」二階堂の顔が何やら意味深にニヤケる。「な、何ですか!? 社長……何か言いたいんですか!?」つい、琢磨の声に焦りが出る。「いや、別に。まぁいい。お前を尋ねたのは仕事の話があったからだ。どれ、座るぞ」二階堂は折りたたみ椅子を運んでくると机を挟んで琢磨の向かい側に座り、早速仕事の話をはじめた――****――コンコン部屋の外でノックの音がした。「ん? 誰か来たようなだ?」二階堂が対応しようと腰を上げると、琢磨は慌てた。「社長、俺が出るので座っていてください」琢磨は素早く立ち上がるとドアへ向かう。その様子を二階堂はじっと見つめていた。ガチャリとドアを開けると、やはりそこに立っていたのは舞だった。「お待たせいたしました。お掃除終わりました」「ああ、どうもありがとうございます」「はい、それでは失礼します」頭を下げて立ち去ろうとする舞を近くにやってきた二階堂は引き留めた。「あの、少し待っていただけますか?」「はい? 何でしょうか?」舞は不思議そうな顔で二階堂を見た。「私の部屋の掃除もお願いできないでしょうか? ここから2つ先の部屋になるのですが」「え?」舞の顔に戸惑いの表情が浮かぶ。それを傍で見ていた琢磨は心の中で舌打

  • 偽りの結婚生活~私と彼の6年間の軌跡 偽装結婚の男性は私の初恋の人でした   <スピンオフ> 第3章 九条琢磨 9

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  • 偽りの結婚生活~私と彼の6年間の軌跡 偽装結婚の男性は私の初恋の人でした   <スピンオフ> 第3章 九条琢磨 6

    「絶対に嫌です!」突如、耳に飛び込んで来た女性の声に琢磨は驚いた。(一体何があったんだ? だが、何だかただ事ではない様子だったな?)琢磨は胸騒ぎがして、声の聞こえた園舎へと足を向けた。建物の影を覗き込み、琢磨は驚いた。そこには先ほどの女性が30代と思しき男性と睨み合っていたのである。女性の背後にはレンと呼ばれた男の子が震えながら女性の足に捕まっている。「いい加減にしろ! レンは俺の子供だ! 早くこっちに渡せ!」「嫌です! 姉と約束したんです! 絶対に貴方には渡さないでって! 私はレンちゃんを託されているんです!」「舞ちゃん……怖いよぉ……」少年は必死に女性の足にしがみついている。「レン! お父さんと一緒に暮らそう! お前を迎えに来たんだよ!」そして男性は少年に手を伸ばそうとした。「何するんですか!?」女性が叫んだその時――(ああ……! もう、見ていられない!)我慢出来なくなった琢磨は声を張り上げた。「よせ!」するとその声に驚いたように3人が一斉にこちらを振り向いた。「嫌がっているじゃないですか? もうその辺にして帰ったらどうです?」琢磨はズカズカと3人に近付くと、男性の前でピタリと止まった。「な、何だ……? お前は……」男性は背の高い琢磨に押されるように上ずった声で見上げてきた。その時琢磨は男からアルコールの匂いがすることに気が付いた。「お酒を飲んでいるようですね? いいんですか? 運動会にアルコール臭をさせてやってくるなんて。それに……」琢磨は女性の足元にしがみついて震えている少年を見た。「可哀そうに……こんなに震えているじゃないですか? いくら父親だからと言ってもこんなに震えて嫌がっている子供を無理やり連れ去ろうとするのは犯罪ですよ?」ジロリと男性を睨み付けた。「うっ……」男性は悔しそうに琢磨を睨み、次に女性を睨み付けた。「おい! 知ってるんだからな? 舞……お前ただのアルバイトで生計を立てているんだろう? そんな不安定な生活で、しかも未婚のくせに子供を育てるなんて世間で通用すると思うなよ! 必ずレンは俺が引き取るからな!」男性は舞と呼んだ女性を指さすと、そのまま背を向けて歩き去って行った。「全く……」琢磨は溜息をつくと、背後で女性が声をかけてきた。「あ、あの~ありがとうございました」「あ、いえ……

  • 偽りの結婚生活~私と彼の6年間の軌跡 偽装結婚の男性は私の初恋の人でした   <スピンオフ> 第3章 九条琢磨 5

    (ん? あの親子は……?)水道場に向かう途中、琢磨は他の保護者たちとは少し離れた場所にレジャーシートを敷き、仲良くお弁当を食べている母子の姿を見つけた。そこに座っていたのは先ほど琢磨が朱莉だと勘違いした女性であった。彼女の傍らには体操着を着た男の子が座り、美味しそうにおにぎりを食べていた。2人はとても仲がよさそうで、大きな声で会話しながら食事を楽しんでいた。すると不意に2人の会話が琢磨の耳に飛び込んできた。「舞ちゃん。このおにぎり、すっごく美味しいね?」「そうでしょう~? レンちゃんの為にねぇ……大好きなタラコを入れたんだよ?」「うん! 僕タラコだ~いすき!」レンと呼ばれた少年はニコニコ笑っている。その会話を聞いて琢磨は首を傾げた。(妙だな……母親のことを名前で呼んでいるのか? それに父親もいないように見えるし)その時――女性は顔を上げ、琢磨と視線が合ってしまった。(うっ! ま、まずい……! あまりにもぶしつけにジロジロ見てしまったか!?)すると女性は軽く会釈をしたので、琢磨も慌てて会釈をし、足早にその場を立ち去った。(ふう~驚いた……まさか目が合ってしまうとは……でも……)琢磨は思った。綺麗な女性だった――と。**** お昼休みも終わり、プログラムも終盤に差し掛かろうとしていた。「琢磨、もうお前帰ってもいいぞ」突如競技を見物していた二階堂が琢磨に視線を向けることなく言った。「え……? ええ! い、いいんですか!?」思わず琢磨の声が喜びで声が弾む。「何だ? 随分嬉しそうじゃないか?」ぐるりと首を回して琢磨を見る二階堂。「い、いえ。気のせいですよ?」「ふ~ん……そうか?」しかし、琢磨には理由が分からなかった。まだ運動会のプログラム終了までは演目が残っているはずなのに、何故突然帰るように言い出したのか理由を尋ねたくなった。「あの、でも……何で帰るように言ってるんですか?」すると二階堂は溜息をつくと、琢磨に運動会プログラムを差し出してきた。「ほら。プログラムの最後の演目を見て見ろよ」「?」受け取った琢磨プログラムを眺め、尋ねた。「この一番最後の演目ですよね?」「ああ、そうだ。」「親子でペアダンス……ってなっていますけど? これがどうかしたんですか?」すると二階堂は急に不機嫌そうな顔つきになった。「どう

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